ダンゴ汁 北信の粉食文化

ドジヒコ

2008年02月07日 09:07

長野県は、「粉食文化」が発達しているとよく言われます。そばにうどん、おやきに始まり、3月にはいると「やしょうま」もあります。
前日や前々日の余ったご飯と小麦粉を使って、「コネツケ」という方法で食事をすることもあります。
今日は、「ダンゴ」のお話。

「ダンゴ」と言っても、みたらしや餡子のお団子ではありません。
「ひんのべだんご」です。
通称「ダンゴ汁」と我が家では呼んでいます。
小麦粉を練ったものを、伸ばして(ひん伸ばして)小さくちぎり、具沢山の味噌汁に入れていきます。
いわゆる「すいとん」です。


具沢山とは、かぼちゃ・たまねぎ・ジャガイモそのほかに旬の野菜を入れ、味噌で味付けしたものですが、調理方法は単純なものです。
「ひんのべだんご」とは、小麦粉を練ったものを「ひん延ばす」からついた名前でしょうか。
僕は、この「ひんのべだんご」こと「だんご汁」がどうしても嫌いでした。

子供の頃から、農家ですから、お米もあるのに、どうして「すいとん」などつくり、夕食の食卓に並べるのだろう?といつもいぶかしげに見ていたものです。

戦時中の「ひもじさ」も「食糧難」も経験したことはありませんが、本やテレビで、「すいとん」の出てくる風景を見て、いつの間にか、食糧難の時のお米が食べられないときの「非常食」「代用食」というイメージが付いてしまった。


都内にいた頃は、同じ類の「ほうとう」を友人らに誘われて、山梨までよく食べに行きました。こちも、僕から言わせてもらえるのであれば、僕の嫌いな「ひんのべだんご」と同じで、どうしても「味噌仕立て」の中に、小麦粉の練ったものが入っているのが、好きになれませんでした。誘われるがまま何度もほうとうを食べに中央道を山梨まで通ったわけですが、「田舎の味がする」と盛んにみな誉めていましたが、
「ほうとう」=「ひんのべだんご汁」=「代用食」の公図があってか、好きになれませんでした。

他にも、ご飯の代用として、北信では、そばやうどん・おやきもあったわけで、そばも祖母がよく打って、茹で食卓に登りましたが、それらはすんなり受け入れました。
どういうものか「ダンゴ汁」は、受け入れられず、今も苦手です。



まだ全てを調べてみたわけではないのですが、江戸の頃から天変地異による飢饉はあったものの、稲作は、現在の戸隠や小川村など西山地方を除き、北信では何ら変わりなく行なわれていたのですから、そばにおやきにダンゴ汁といった代用食の「粉食」が盛んになったのはなぜでしょう?

大戦前の、養蚕が盛んな頃でも、田んぼのお米つくりはしっかり行い、田んぼを養蚕用の桑畑に転用するといったことは無かったようです。
(下伊那地方ではあったようですが・・・。)
これから調べてみないといけない課題ですが、おやきやダンゴ汁といった「粉物」が、庶民の間で、遠い昔から重宝され食べられたのには、まだまだ奥深い訳がありそうです。

市内を歩いてみても、蕎麦屋さんがたくさんあり、そばもかなり奥行きが深くなり、結構高級な食事に変化してきました。庶民の間で簡単に作られ食べられた「そば」とはまた趣向が変わってきたような気がします。
「おやき」もしかりで、都色々とアレンジされた「おやき」は、都内の物産展では、結構人気です。

「ダンゴ汁」が、「ほうとう」のように、知名度が上がり、第3の北信地方の「粉食」となるか、また「ダンゴ汁」をメニューに出す外食屋さんが、信州に登場するかはなはだ疑問ですが、「ダンゴ汁」は「信州の旨いもの」に挙げられるようになるか粉食の一部としての「ダンゴ汁」に期待をしつつ、僕はその前に「ダンゴ汁」嫌いを克服しなければと思っています。



かぼちゃ・ジャガイモ・たまねぎ・油揚げ・あと豚肉
肉は、牛肉でなく、「豚肉」です。肉じゃがといえば、牛肉で作りますが、北信では、「豚肉」で作る家庭が多いようです。
この「豚肉」と「牛肉」の利用の差も北信ならではです。










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