火を防ぐ信仰

ドジヒコ

2008年01月29日 10:14

近くのお寺「宝蔵院」に行って、和尚さんの田中さんにお話を伺ってきました。
「宝蔵院」は我が家の檀家のお寺ではないのですが、近いためよくお経を読みに来ていただいたり、代々「世話人」という役割を我が家で仰せつかっていて、ちょくちょくお話を伺います。

宝蔵院では、春に「火防大日如来」のご開帳があり、火除けの祈願が行なわれます。
「火除け」というと、「秋葉神社」を思い浮かぶ方も多いかもしれません。
権堂のイトーヨーカドーの脇の「秋葉神社」も火除けの神です。
市内にも秋葉社は、長野市長沼を始め結構あるようですが、豊野での「火防信仰」は、このお寺「宝蔵院」の火防大日如来です。
江戸の頃から、火は今以上に大敵でした。
「明かり・食物を作る・暖を取る」
以上のことを、遠い昔から、直接「裸火」を使用することで、得ていたわけですから、火事は、今以上にあったはずですし、ひとたび火事が起きれば、現代のように「防火」建築や消防車など無かったわけですから大変であったでしょう。
そういった意味でも、「火を防ぐ」「火を大切にする」ということは、庶民の間では日々欠かせなく、そ守ってくれる神仏を信仰することは、庶民には欠かせなかったことです。
我が家では、今でこそありませんが、祖母が生きていて元気な頃は、台所横に「釜戸」がしつらえてあり、そこで直接リンゴの木を伐採した「薪」を使って、くべ、朝のご飯だけ炊いていました。
中学生の頃まででしょうか?風呂も薪で沸かしていた記憶があります。
コタツも、春3月に剪定で伐採したリンゴの木を燃やして「炭」にする「炭焼き」を田んぼで行い、その炭を使っての「炭火コタツ」でした。

昭和の末期の我が家でさえ、これほどでしたから、昔から今以上に「火」にかかわる時間が多かったわけです。
この「火防大日如来」のことは、このご開帳が春、4月23日に行なわれますのでまたご案内したいと思います。

この宝蔵院の「火防大日如来」の信仰や、秋葉神社の「火防信仰」など、北信濃の「火防信仰」については、過日ご案内した「日本の明かり博物館」の亡くなってしまったのですが、学芸員であった山崎ます美さんが詳しく本を書かれています。
大変興味深いお話が多数ありますので、是非ご覧ください。
「日本の明かり博物館」で販売されています。


宝蔵院


火防大日如来の「宝蔵院のお札」
このお札は、神棚でなく、火のそば、現在の我が家は、台所に貼ってあります。




山崎ます美さんの遺稿集。
北信濃の「火」に関する民俗が書かれています。
2,500円、小布施の日本の明かり博物館で購入できます。





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