三浦哲郎さんの逝去・・・・・学生時代の思い出
作家の三浦哲郎さんがお亡くなりになられた。
僕の私淑する作家の一人である。
三浦さんの作品を知ったのは、
高校生の頃、確か「スペインの酒袋」という
短編集であった。
当時、ショートショートが好きで
これまたお亡くなりになられたが、星新一さんの
夢ある短編にとりこになっていた。
それに比べると、三浦さんの短編は
東北八戸の故郷を題材や背景にしたものが多く
全く違っていた。
その三浦さんの有名な「笹舟日記」や「忍ぶ川」に
大のファンになったのは、大学に進学して
長野を離れてからである。
18歳で東京に出たわけであるが
それまで、洋服や髪型にもこだわらず
母親の用意していたものを、食べたり着たりの生活、
そんな生活が、東京に行って、一人暮らしとなり
すべてを自分で行わなければならなくなった。
江戸時代、信州から江戸の街に
冬場の出稼ぎが多かったのであるが
信州人は「大飯くらいのムクドリ」とさげすまされた。
僕も、東京に出た頃は
おそらくそんな感じではなかったであろうか。
衣食では何も判らずに、東京に出て
周りの学生の着ているものや身に着けているものを参考にしつつ
おっかなびっくりの新宿に出て買い物をした記憶がある。
そんな、田舎の学生は
まだ当時は、長距離バスなど無かったものであるから
特急か鈍行で長野と上野を行き来するのである。
上野駅は、長野から特急・或いは鈍行で
必ず下車しなければならない。
井澤八郎さんの歌に「ああ、上野駅」というのがあるが
上野駅は、「田舎から出てきた不安」と
「東京で垢抜けよう」という期待とを再認識させてくれる
場所でもあり、決して都会人には味わえない
そんな「期待と不安」を醸し出す場所、それが上野駅である。
上野駅がそんな期待と不安を醸し出してくれたのであるが
三浦さんの短編集、特に笹舟日記も
郷里への思いと都会での生活の期待を
再認識させてくれ、何度も読み返したものである。
男ゆえ、田舎に毎日電話するのも恥ずかしいし
「連絡が無いのが元気の証拠」なんて
強がっていたものだから、都会での生活に不安を感じつつ
三浦さんの短編集や小説を読むことで
田舎への懐かしさを思い、都会での不安を解消した。
そんな僕にとっては
切っても切れない、三浦さんの短編集や小説は
汚かったアパートから持ち帰り、
今は自分の本棚に収まっていて、
たまに読み返すと、あの学生時代の
「期待と不安」が思い出され、懐かしい。
信州から出てきた僕は
勉強しつつ「将来に対する期待と不安」も持ったのであるが
都会での生活に対する「期待と不安」も
併せ持ったのである。
上野駅にもスッカリ行かなくなったし
上野駅が改築され、デパ地下のような店が
たくさん出来た昨今の上野駅に
当時の面影は無い。
三浦哲郎さん・上野駅・・・・・
あの頃の懐かしい「期待と不安」を
認識させてくれるキーワードが
また一つ無くなってしまい
非常に残念である。
ご冥福をお祈りしたい。
善光寺平のくだものたち リンゴ・桃・梨
「信州のくだもののある生活」をごいっしょに!!
美味しい信州りんごを召し上がれ ・・・・信州の甘いりんご「つがる」 ご予約受け付け開始いたしました。
瑞々しさをご堪能あれ・・・・・・・・・・・秋の信州梨、ご予約開始いたしました。
美味しい信州ならではの産直サイト
長野の桃 梨 りんごの産直 信州北信濃 坂爪農園
信州ギフト
ランキングに参加しています。
クリックしていただけると幸いです。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村